『なにわ乳がんを考える会』が4年ぶりに梅田スカイビルタワーウエスト36階で開催されました。
テーマ:さらなるQOL向上のために
・特別講演『患者目線の乳房再建術』
講 師:藤原 貴史 先生(森ノ宮病院 乳腺センター・形成外科)
特別講演の講師は、森之宮病院の乳腺センターで乳房再建に従事されている
藤原貴史先生、テーマは「患者目線の乳房再建術」です。
乳がんと診断されたら、がんの治療と同時に乳房再建についての
問題も発生します。しかも考える時間の猶予もあまりない中、
決めなければならないことが多く、不安で、迷い、悩むことに……。
実は、藤原先生ご自身もがんに罹患し、同様の気持ちを強く実感さ
れたそうです。そんな先生からのお話はまさしく「患者目線」で、
自分らしい乳房再建に向けて、意思決定をサポートする内容は大変
勉強になり、又、講演が進むにつれて、患者さん同士の気持ちに寄
り添ったアドバイスのようにも聞こえてきました。
再建する、しない?自分に合った術式の選択と手術のタイミングは?/
施設(病院)を選ぶポイント/術前に確認しておきたいこと/など
具体的な説明の中で、特に関心を持ったのは、
「乳がん治療と異なり、乳房再建は施設によって実施している術式
にばらつきがあるということ」
「術式が決まっていない時のエキスパンダーの使用例」
「術前説明の際、患者さんが満足されなかったり、合併症を生じた
例の写真も見せてもらうなど、希望の術式の短所にも目を向け、
リスクを受け入れられるかの検討も大事」ということです。
そして、再建はなかなか大変なもので、困難を乗り越えるための
熱意と強い意志が必要なようです。
私の場合は10年前、悩んで部分切除術、その後、脂肪注入での
部分補正を検討するも、リスクに関する情報を耳にし、躊躇して
いるうちにやる気が下火に。
今なら一からどうするかな…などと考えながらお話に聞き入っていました。
ご紹介のサイト「乳房再建ナビ」「意思決定ガイド」も役立ちそうです。
「意思決定ガイド」から乳房再建の冊子はまだ出ていませんが、
冊子『乳がん手術方法』(webで閲覧できます)を代用して説明し
てくださいました。
講演後の質問時間も含めて、とても有意義な機会だったと思います。
患者世話人 Uenaka
・教育講演『知っトク! 乳がんと食事』
講 師:尼子 恵理子 先生(兵庫県立ひょうごこころの医療センター 栄養管理部)
今回の講演会では、管理栄養士の尼子恵理子先生から、
乳がんと食事についての役に立つ情報を得ることができました。
「控えたほうがいいもの」や「積極的に摂りたいもの」などをクイズ形式で教わったのですが、
改めて重要なポイントが確認できました。
「太りすぎないこと」→適切に体重管理を行うことが特に重要です。
「長期にわたるホルモン療法は骨粗しょう症につながる可能性があること」
→カルシウム食品を摂取し、骨の健康をサポートすることは大切ですが、
リン、食塩、カフェイン、アルコールの過度な摂取は控える方が良いことも強調されました。
その後、講演中に紹介された「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」を改めて閲覧し、
「生活習慣と乳がん再発リスクとの関連」についての情報にアクセスしてみました。
肥満とアルコール摂取は再発リスクと関連しており、
食事と生活習慣を見直すことが再発や予防に役立つことが明確に示されていました。
このような情報は、注意しすぎるとストレスが溜まりがちになりますが、
定期的に振り返り、毎日の食事や運動習慣を見直すことは大切だと感じました。
36階の会場から眺める景色はほんとうに素晴らしく
乳がんと食事の関連性や日ごろの生活習慣について考えるよい機会になりました。
患者世話人 植田
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