「人生備えあれば憂いなし〜2025年問題から考える」 / 第87回 大阪QOLの会

鈴木久美先生(大阪医科大学看護学部)

藤本恭子先生(西宮市安井訪問看護センター)
さわやかな秋晴れの続く10月の3連休の初日、
運動会や小旅行などお出かけの方も多いかと心配しましたが、
盛況な患者会となりました。
10月はピンクリボン月間で乳がん検診を推進する運動と
TVで活躍されているタレントさんが「乳がん」との公表が重なり、
乳腺外科は普段に増して大変ご多忙とのお話でした。
さて、今回のテーマ【2025年問題】とは?
まずは講師:鈴木久美先生(大阪医科大学看護学部)から
統計的な講演です。
10年後「第一次ベビーブーム世代」が後期高齢者(75歳以上)となり、
高齢者が人口のおよそ25%となるということ。
そして高齢者の世帯およそ7割が
ひとり暮らし・高齢夫婦のみに達するということ。
現在『「がん」の死亡場所』の8割が病院だが、
「病院で死ぬ」ということが難しくなる。
いつか介護が必要になり、死に場所を考えておく。
どのように生きたいか?
漠然と「死ぬまで元気で生活していたい」という楽観ではいけない。
介護が必要となった時の本人と家族の希望に乖離が無いように
今から考え行動しなければ!
主な死因で「がん」は 1位『3人に1人は「がん」で亡くなる』
余命が限られた場合の過ごし方
終末期の在宅医療が受けられるのか?
次に講師:藤本恭子先生(西宮市安井訪問看護センター)が
介護保険制度や具体的な事例について講演が続きます。
「親の介護」「自分の老後」
介護度の説明、利用できるサービス制度や施設、費用について…
要介護(要支援)認定まで申請から1ヶ月かかることや
費用の算定方法など、知るべき情報が多くありました。
楽観ばかりではいけない現実の問題として、
何が大切で、どうしたいか?
今、大切に思っていることや考え方が変化しても
その都度、主治医や家族と話し合い理解しあえるように
心がけたいと思いました。
質疑応答では治療や生活に関する様々な質問に
先生方の軽快な回答が繰り広げられました。
また、ここ最近の乳がん検診について、体格や個人差により、
検診で行うマンモグラフィーで検出できないタイプや
日本で多用されるエコー(超音波)検査でも
画像描出が難しいケースが稀にあるということ
欧米ではエコー(超音波)検査が乳がん検診に
有用とされていないということ
これは日本発の飲む抗がん剤「TS-1]が
胃がんなど消化器がん、乳がん、肺がん、
次々に有効性が確認されているが、
欧米では継続して服用することが難しいとされていることなど
豊富な話題を聞く機会も患者会に参加してからこそだと思います。
(患者ボランティア:abe)
次回の大阪QOLの会は、
2015年 12月12日(第2土曜日)です。
テーマ:分科会
大阪QOLの会、医療世話人のドクター・看護師、
甲南病院副院長、乳腺内分泌外科の宮下勝先生が参加されます。
先生方が各々テーマをご用意してくださる予定です。
参加される方はご自身の興味のあるテーマや
お話してみたい先生のいらっしゃるグループに入り、
直接質問したりお話を聞いたりすることができます。
診療中では聞きにくいことなど、直接先生とお話できる
とてもよい機会だと思います。
たくさんの方のご参加をお待ちしています。
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- 2015.10.10 Saturday
- 大阪QOLの会 【講演会】ご報告と感想
- 12:01
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